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診療・部門について

医師のご案内

氏名役職専門医・資格など
鈴木 康司
(すずき こうじ)
副院長兼部長 日本リハビリテーション医学会 専門医/指導医
日本整形外科学会 専門医/指導医

萩尾 慎二

(はぎお しんじ)

部長 日本整形外科学会 専門医 

日山 鐘浩

(ひやま かねひろ)

部長

 

牛尾 修太

(うしお しゅうた)

科長

 

 

沼田 ほあし

(ぬまた ほあし)

医師  

関原 侑太郎

(せきはら ゆうたろう)

医師  
鈴木 英嗣
(すずき ひでつぐ)
非常勤医師 日本整形外科学会 専門医/指導医
日本手の外科学会 専門医

 

整形外科について

整形外科のご紹介

整形外科は外傷(骨折、脱臼、捻挫など)と運動器疾患(腰痛、関節痛など)を診る診療科です。現在5名の医師が診療に当たっており、うち3名が整形外科専門医です。萩尾部長、鈴木康司部長が成人股関節疾患(変形性関節症、大腿骨頭壊死など)を、猪野又科長が膝疾患を中心に診療を行っています。外傷に関しては全ての医師で協力して診療を行い、例年、400-600件の手術を行っています。また鈴木部長はリハビリテーション科部長も兼任しており、リハビリスタッフとの連携で早期退院、早期社会復帰を目標に治療を行っています
2022度からは膝関節専門の猪野又 慶医師の赴任により、保存治療が限界の場合でも変形性膝関節症にたいする膝周囲骨切り手術、人工膝関節置換術をはじめ、関節鏡視下の靭帯再建術などの治療法が当院でも積極的に行えるようになりました。上肢疾患(上肢外傷、手外科疾患、肘疾患など)に関して専門性の高い疾患は毎週木曜日に勤務している非常勤の手外科専門医と連携して診療を行っています。骨軟部腫瘍、脊椎疾患については、現在脊椎専門医が不在のため、薬物治療、リハビリテーションなどの保存治療が限界となり、手術が必要になりそうな場合には、近隣の脊椎専門医の在住する施設へご紹介している状況です。

股関節

1994年から股関節専門医が勤務しており、年間約30例の人工股関節置換術(人工骨頭置換術を含めると年間約70例)を施行しています。低侵襲による手術は2001年から導入しています。当院では手術されたかたが約600名います。

これまでの人工股関節の手術をされたかたの平均年齢は64歳です。80歳以上の高齢の方も50名以上の手術経験があります。
現在、人工股関節は主にセメントを使わないかたが95%、セメントを使うかたが5%程度の割合です。骨の形にあわせて、最も適するタイプを選択しています。手術時の出血対策として、ほとんどの症例で、通常は1回(400ml)の自己血貯血(献血で貯血するのと同じ量)で対処しております。
人工股関節の手術合併症で注意すべきは脱臼、感染、エコノミークラス症候群です。
脱臼率は数%です。急性期の感染により再手術例はありません。エコノミークラス症候群で肺梗塞を発症されたかたは1例です。
手術後の平均的な経過は手術翌日に歩く練習(リハビリ)がはじまります。10日程度で杖での歩行に移行し、入院期間は手術後3週間を目標にしています。3週間に設定している理由は、術後感染の経過をみること術後の貧血のピークは手術後2週程度であること、この手術の重篤な合併症である、いわゆる“エコノミークラス症候群”の経過をみるためです。ご希望あれば10日程度で退院される方もいらっしゃいます。退院後に通院でのリハビリを継続される方もいます。
退院後の医師の診察は退院後約1ヶ月で受診して頂き、その後は最初の1年間は3ヶ月おきに定期健診して頂き、手術後1年経過すると安定してきますので、年に1-2回のフォローアップとなります。

膝関節

2022年4月から膝関節専門医が勤務しており、2022年度は約40件の膝関節手術を施行しました。膝関節の手術は変形性膝関節症、膝関節内の骨壊死に対する人工膝関節置換術、人工膝関節単顆置換術、高位脛骨骨切り術や関節鏡を用いて行う前十字靭帯損傷、内側膝蓋大腿靭帯損傷に対する靭帯再建術や半月板損傷に対する半月板縫合術、切除術などがあげられます。

1.変形性膝関節症、膝関節内の骨壊死 

変形性膝関節症、膝関節内の骨壊死に対して施行する人工関節と骨切りの手術は

膝の変形の程度、下肢のアライメント(O脚かX脚か)、膝の可動域、靭帯損傷の有無、患者さんの年齢、体格、活動度などにより手術方法を選択します。
高位脛骨骨切り術はO脚で荷重軸が内 側に傾いており、靭帯(じんたい)などが健康で関節の温存が可能で膝関節の内側だけが悪い場合に、骨を切ってO脚をX 脚に矯正して痛みを取る手術です。適応の条件として、骨がある程度しっかりしていることが必要ですので、おおむね70歳以下で活動性の高い方 が対象となります。ご自分の関節が残りますからスポーツなども可能です し、手術後に万一悪化したとしても、人工膝関節全置換術に移行できるのもメリットです。
人工膝関節単顆置換術は骨の変形が少なく、膝関節の内側(片側)だけ軟骨が傷み、靭帯が健 康な膝関節の片側だけが悪い場合に行われます。た だし耐用年数が全置換術よりも若干落ちますので、目安としては70歳以 上の方が適応となります。痛みを取る確実性は全置換術のほうが高いですが、手術前の膝の屈曲角度は全置換術よりは保てます。前十字靭帯(ぜんじゅうじ じんたい)、後十字靭帯(こうじゅうじじんたい)を切らずに残しますから、 自分の脚に近い感覚も残すことができます。ただし変形が強ければ全置 換術の適応となります。
全置換術は変形性膝関節症が進行して、膝関節全体が悪くなってしまった場合に施行されます。膝関節の全部を人工膝関節に置き 換えますから、高度に破壊された膝の機能を再獲得するのには最も信頼性の高い手術といえます。痛 みを取ることにおいても、耐用年数が15年から20年以上ということを考 えても、長期成績が安定し適応の幅も広い優れた手術だといえます。 

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2.前十字靭帯損傷

前十字靭帯は膝の関節の中のすねの骨の前から太ももの骨の後ろへと走る靭帯で、方向を換える、急にストップする際に緊張し動きを制御します。損傷の原因としてはバスケットボール、サッカーでのカット動作、バレーボールの着地、スキーのターンの際 などで自分の力で損傷する場合(非接触型損傷)と、柔道、ラグビーなど、他者と接触して 受傷する場合(接触型損傷)があります。前十字靭帯が損傷するとカット動作、ジャン プの着地などで膝の不安定感が出現し、膝がずれる(膝くずれ)症状が出現します。膝くずれ を繰り返すと関節内の半月が損傷され、半月板 症状(膝のひっかかり、ロッキング)が生じて きます。膝くずれが頻繁に生じるとその際に、関節内の半月板、軟骨が損傷され、早期に変形性関節症になってしまいます。また前十字靭帯は損傷されると関節内で経時的に吸収 されてしまいますので、切れた靭帯をつなげた だけでは元に戻らず、靭帯の代わりとなるもの を作り直す(再建術)必要があります。今後、 スポーツ活動をする方や日常生活でも不安定感 が残る方は手術を受ける必要があります。手術方法としては大腿骨(太ももの骨)、脛骨(すねの骨)に骨 孔(骨のトンネル)を掘り移植する腱を通し、 失った前十字靭帯の機能を再建する手術です。 膝蓋骨(お皿)の内外側にそれぞれ7mm程度の、 すねの内側に3cm程度の傷ができます。移植 腱を採取し、多重折りに束ねます。大腿骨、脛骨に骨孔を作製、移植腱を通し、大腿 骨側は金属製のボタンで、脛骨側はステープルで 固定します。移植腱としてはハムストリン グ腱(半腱様筋腱、薄筋腱)、骨付き膝蓋腱など が使用されます。移植した腱と骨が一体化するのに9ヶ月程度かかるため、時期に応じてやるべきことと、すべ きではないリハビリがあります。 術直後から膝の曲げ伸ばし、太ももの前の筋力 強化を開始します。徐々に歩行を許可しますが、 手術した膝を守るため術後1ヶ月程度は松葉杖を 使用していただきます。術後1ヶ月程度からスク ワットを開始し、筋力の回復をみながら術後3ヶ月からジョギング、術後5ヶ月頃から徐々にス ポーツ種目別の練習に参加し、術後9ヶ月に完全 復帰を目指します。 

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 3.半月板損傷

半月板は関節の中にある三日月状の形態をした弾力性 のある組織で、軟骨とともに関節のクッション の役割や、骨の隙間を埋め膝の動きを安定化させる役割を果たします。損傷の原因としてはスポーツ動作などで膝をひねった状態で体重がかかる、靭帯損傷に合併するなどです。生まれつき外側半月板に断裂を起こしやすい奇形 (円板状半月)があると、軽微な外傷で受傷することもあります。半月板が損傷すると関節の中でひっかかる、 はさまるような症状が出現します。それに伴い 関節炎が起こり痛みを伴うようになります。損 傷の程度が進行しバケツ柄断裂になると、骨の 間にはさまり、ロッキングといわれる膝の屈伸 ができない症状がでることもあります。半月板症状(ひっかかる、はさまる)のため に日常生活、スポーツ活動に支障をきたしている患者さんは関節内の問題を手術的に解決する 必要があります。関節鏡(内視鏡)で切除術、 縫合術のいずれかを施行する必要があります。 半月板は血行が乏しく、縫合しても再断裂する 可能性があり、どちらを選択するかは部位、程度により決定します。

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 4.膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼とは通常、大腿骨のくぼみ(大腿骨滑車)に収まっている膝蓋骨(お皿)が大腿 骨滑車から外れ、脱臼する状態です。 ほとんどは膝蓋骨が外側に脱臼(外側脱臼) します。
ジャンプの着地などで、膝を伸ばす太ももの 筋肉(大腿四頭筋)が強く収縮したときに起こります。初回の脱臼は10歳代の女性に起こることが多く、その後20~50%の方が、繰り返し脱 臼をきたすことがあります(反復性脱臼)。 生まれつきの素因を持っていることが多く、 膝蓋骨や大腿骨の形の異常、大腿四頭筋の作用 する方向と膝蓋腱の方向が異なっていることなどがあげられます。新鮮例では膝関節の痛みや腫れが起こります。膝蓋骨の脱臼や整復の際に膝蓋骨や大腿骨 の関節面の一部が骨折することがあります。 脱臼を繰り返す(反復性脱臼)ようになると 痛みや腫れなどは少なくなり、不安定感を強く 訴えます。
初回膝蓋骨脱臼では、骨折がない場合は、整 復されていんあい場合は整復をした後に、外固 定などの処置が必要です。 反復性脱臼や、初回脱臼でも脱臼しやすい素 因が明らかで反復性脱臼になる可能性が高い場 合や骨片のある場合には手術治療が勧められます。手術を行わない場合には、脱臼しにくくするための装具を用いる場合もあります。

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絞扼性神経障害 ~手のしびれについて~

手が痺れる理由はいくつかあります。 脳や頸椎が原因となることもありますが肘や手で神経が圧迫されて症状が出る場合もあります。その場合は痺れる部分に決まりがあって、母指から環指までは痺れるけど、小指は大丈夫だったり、その逆で環指小指は痺れるけど、他の指は大丈夫だったりします。 また、手指の細かい作業(例えば ボタンかけ 箸、書字など)がやりづらくなることがあります。

上記のような症状の場合、神経の圧迫を解除すれば症状が改善する場合があります。

 

手根管症候群

手首の部分で、正中神経が圧迫されて発症します。 主に母指~環指まで痺れ、朝が特に症状が強いことが多いです。女性に多いのも特徴です。症状が進行すると母指球筋(母指の付け根の筋肉)が委縮して、物をつまむのが困難になります。15分程度の手術で神経の圧迫を解除すると症状は改善します

 

肘部管症候群

肘の内側で尺骨神経が圧迫されて発症します。主に環指小指が痺れます。男性に多いのも特徴です。症状が進行すると骨間筋(手の甲側の筋肉)などが麻痺し、ものをつまんだり、握力が落ちたり、じゃんけんのパーが上手くできなくなったりします。症状が悪化しすぎると手術しても完全な回復が得られないこともあり、早期診断早期治療が大事な疾患です。手術は神経圧迫の原因となっている肘の部分の骨を削ったり、神経の走行を変えることで圧迫を解除し症状を改善させます。

手関節、指関節疾患 ~手首や指を使った際の痛み~

手首や指を使った際に痛みがでることがありませんか?

痛みの原因は腱鞘炎であったり、関節の変形であったり、靭帯の損傷であったりと様々です。まずは正確に診断を行い、適切な治療を行うことが肝心です。

母指CM関節症

図7 母指の付け根の部分の痛みで、進行すると見た目も変形してきます。
原因は関節の変形によるものです。 最初は瓶のふたを時のような力を入れる動作で痛みを自覚し徐々に軽作業でも痛くなります。
初期の場合は安静固定をするだけで、症状は軽くなりますが、痛みが強い場合、関節注射や装具療法を行います、さらに仕事や日常生活に支障をきたすようなケースでは手術療法を行うこともあります。

腱鞘炎

腱鞘炎はその名の通り、腱鞘でおこります。 主におこる場所としては手関節の母指側(ドゥケルバン病)と指の付け根(ばね指)の2か所です。
腱鞘炎は手や指を酷使する人がなるものだと思われていますが、決してそんなことはありません。特に女性は誰でもなりうる病気です。
ばね指は指を曲げるとばねのようにカックンとなったり、指の第2関節(PIP関節)が伸びなくなったりします。
いずれも、注射を行うことで、症状は改善します。ただし再発を繰り返す場合には手術を行うこともありますが、10分程度の日帰り手術です。

 

へバーデン結節

指の第1関節が複数痛くなって、腫れて太くなる疾患です。
中高年の女性に多く発症し、リウマチを心配して受診される方が多いですが、
指の変形性関節症です。
多くの方は変形は改善しませんが、痛みは落ち着きます。ただし中には痛みが長く続く方がおり、その場合は手術療法を考慮します。

診療統計

2022年度

外来のべ患者数

18,329名
紹介患者数 493名
手術件数

461件

  上肢 157件
  骨盤、股関節

208件

  膝下腿/足関節

95件

  脊椎 0件