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診療・部門について

栄養部

透析食を知ろう

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  1.  バランスのよい食事をする。
  2.  運動量(消費量)に見合ったエネルギーをとる。
  3.  たんぱく質を適量とる。
  4.  塩分・水分をとり過ぎない。
  5.  カリウム・リンをとり過ぎない。

 

透析食の一日の食事基準

  • エネルギー   (体重1kg当り)35~40Kcal
  • たんぱく質   (体重1kg当り)1.0~1.2g/週3回透析 1.0g/週2回透析
  • 塩分の制限   1日5~7gを目標に減塩します。
  • 水分      1,000ml以下(個人差があります)
  • カリウム    2,000mg以下(調理前)
  • リン      900mg以下

 

バランスの良い食事とは?

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  1. 規則正しく食事をとり、偏食をしないようにする。
  2. 糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルが適量に配分された食事にする。

エネルギーについて

エネルギーを十分とるコツ

  1.  主食をしっかりとる。
    ご飯(中茶碗1杯160g:270kcal)、食パン(1枚60g:160kcal)、うどん(1玉240g:250kcal)
  2.  油脂や砂糖を利用する
    揚げ物、炒め物、サラダ、甘煮など
  3.  砂糖、水あめ、バター(マーガリン)を使った菓子類を間食に取り入れる。
    *あらかじめ食事からたんぱく質を3g程度控えておけば市販の和菓子やケーキ、クッキーなどで100~200kcalは楽に補給できる。
  4.  でんぷん製品を料理に取り入れる。
    春雨、くずきり、片栗粉、コーンスターチ、くず粉
  5.  低(無)たんぱく・高エネルギーの食品を活用する。
    ゼリー、あめ玉、マシュマロ、粉あめ、マクトン製品など

 

エネルギーが足りないとどうなるでしょうか?

摂取エネルギーが必要量を下回る状態が続くと、今まで貯蔵されていた脂肪や体たんぱく(筋肉・血液)がエネルギーとして燃えてしまいます。その結果、筋肉が減少、体重もだんだん減ってきて、疲労や脱力感が現れ、無気力になってしまいます。
また、体たんぱくが燃えれば、尿素窒素などの毒素が発生することになり、たんぱく質を多く摂った時と同じになってしまいます。つまり、身体を維持できるだけの十分なエネルギーをとらなければ、たんぱく制限食は無意味になるうえに栄養失調という生命の危機に陥ってしまうのです。

 

エネルギー補給のコツ

エネルギー補給は穀物をたっぷり使うことが一番効果的です。ごはんを1日200gずつ3回食べると、それだけで約1000kcal摂取できます。ただし、穀物は意外に多くのたんぱく質が含まれていて、15gもあります。たんぱく制限が厳しい場合は主食だけで50%にもなってしまうので、低たんぱく食品を使う事が必須になります。
その他、次のような方法でエネルギー不足にならないようにしましょう。

  1.  たんぱく/カロリー比の少ない食品を選びましょう。
    (例:マグロは赤身よりトロ・白身魚より青身魚・赤身肉よりばら肉)
  2.  砂糖をたっぷり使いましょう。
  3.  春雨やくずきりなどでんぷん製品を料理に取り入れましょう。
  4.  揚げ物、炒め物、サラダ(油の入ったドレッシングやマヨネーズ)など、油を使った料理を多くしましょう。
  5.  間食にたんぱくの少ない菓子類やジュース、シャーベットなどを利用しましょう。卵・乳製品・餡が使われているお菓子はたんぱく質が意外に多く含まれているので注意しましょう。
  6.  アルコール飲料も適量であればエネルギー源になります。
  7.  特殊食品の低(無)たんぱく・高エネルギー食品(粉あめ、マクトンなど)を利用しましょう。

 

調理によるエネルギーの変化(アジ中1尾の場合)

  • 調理法     エネルギー
  • おさしみ    90kcal
  • 網で焼く    90kcal
  • 煮る      120kcal
  • 唐揚げ     120kcal
  • 揚げてあんかけ 250kcal
  • フライ     240kcal
    調理の仕方によってエネルギーは大きく変わることが分かります。

たんぱく質について

たんぱく質の上手なとり方

  1.  必須アミノ酸がバランスよく含まれている良質のたんぱく質をとる(野菜ばかりではなく魚・肉・卵・豆製品をとる※乳製品はリン含有量が多いのでご注意)。
  2.  たんぱく質を多く含む食品をとり過ぎない。
  3.  高齢者はたんぱく質の摂取不足に注意する。
  4.  朝、昼、夕の3食に分けてとる。

 

たんぱく質をとりすぎない

  1.  主食を低たんぱく食品(特殊食品)にする。
  2.  カレーライス、混ぜごはん、ピラフ、散らし寿司などのごはん物は肉や魚が多少減っても見劣りしない。
  3.  材料は角切り、薄切り、みじん切りにするとかさが増える。

食塩について

減塩食の工夫 

  1.  調味量は計量スプーンではかる習慣をつける。
  2.  しょうゆやソースは直接かけないで、つけて食べる。
  3.  加工食品はできるだけ避ける。
  4.  漬物は即席漬けにし、少量にする。
  5.  減塩でもおいしく食べられる工夫をする。

 

主な加工食品の食塩含有量 

食品名 目安量 グラム数 食塩量(g)
食パン 6枚切り1枚 60 0.7
茹でうどん 1玉 240 0.7
あじの干物 中1枚 60 1.0
めざし 中2尾 40 1.1
白す干し 大さじ軽く山盛り1杯 10 0.4
かまぼこ 1.5cm厚さ2枚 40 1.0
はんぺん 中1枚 80 1.2
さつま揚げ 小判型1枚 30 0.6
ロースハム 1枚 20 0.5
ベーコン 1枚 20 0.4
ウインナ- 1本 20 0.4
チーズ 三角チーズ1個 25 0.7

 

減塩調理の工夫

  1.  味は表面につける。
  2.  酸味を上手に利用する。
  3.  香辛料を上手に使う
  4.  天然のだしを濃い目に使う。
  5.  油を使ってうまみを引き出す。
  6.  香りで味に変化をつける。
  7.  塩分は重点的に使い、味に強弱をつける。
  8.  新鮮なもの、旬の素材を使って、食品本来の味を生かす。 

水分について 

水分制限のコツ 

  1.  水分の多いメニュー・食品をとり過ぎない。
  2.  不規則に飲み物を飲む習慣をつけない。
  3.  自分のコップを決めておき、100mlの量がわかるようにしておく。
  4.  冷たい飲み物より熱いお茶を飲んだほうが少量で満足できる。
  5.  塩分をとり過ぎない。

 

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カリウムについて 

カリウムを制限するためには... 

  1.  カリウムを多く含む食品を控える(表4)。
  2.  カリウムの多い食品は減らす調理を行う。
  3.  生の果物は少なめにし、缶詰を利用する。
  4.  だし昆布、わかめなどは食べ過ぎに注意する。
  5.  インスタントコーヒーはたくさん飲まない。
  6.  エネルギー不足に気をつける。

 

カリウム含有量の多い食品 (表4)

果物 バナナ、メロン、キウイフルーツ、ドライフルーツ、アボカド
野菜 ほうれん草、たけのこ、カリフラワー、めキャベツ、枝豆、とうもろこし
芋類

さつま芋(干し芋も含む)、じゃがいも、里芋、大和芋、長芋

豆類 大豆、納豆、きな粉
種実類 栗、ぎんなん、アーモンド、ピーナッツ

 

カリウム値が高い時のチェックポイント

  1.  野菜や果物を食べ過ぎていませんか?
  2.  たんぱく質をとり過ぎていませんか?
  3.  豆類(大豆、納豆、煮豆、あん類、ピーナッツなど)を一度にたくさん食べていませんか?
  4.  芋類を食べ過ぎていませんか?
  5.  黒蜜、黒砂糖を使い過ぎていませんか?
  6.  100%のジュース、トマトジュース、野菜ジュースを飲みませんでしたか?
  7.  ドライフルーツ(干ぶどう、干プルーン、干柿など)は食べませんでしたか?
  8.  牛乳を飲み過ぎていませんか?
  9.  海藻類をよく食べませんでしたか?
  10.  食事の全体量、バランスには問題はありませんでしたか?

 

カリウムを減らす工夫

  1.  野菜やいも類は小さく切り、たっぷりのお湯で茹で、茹で汁を捨ててから調理する。
  2.  生食の野菜はせん切り・薄切り・みじん切りにして、流水に30分程度さらしてから用いる。
  3.  きゅうりは輪切りにして酢水でもむとカリウムが減る。
  4.  大根おろしは汁を軽く絞ってから食べる。

リンについて

リンを制限するためには... 

  1.  たんぱく質をとり過ぎない。
  2.  リン含有量の多い食品に偏らないようにする。
  3.  加工食品を控える。
  4.  低リン食品(治療用特殊食品)を利用する。
  5.  茹でこぼしてから調理する。

 

リン摂取の多い時のチェックポイント

  1.  たんぱく摂取量は適正でしょうか?
  2.  乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)を多くとっていませんか?
  3.  レバーや小魚など丸ごと食べる魚を食べていませんか?
  4.  卵を使った料理やお菓子を食べていませんか?
  5.  加工食品をよく利用していませんか?

 

リン制限のコツ 

  1.  動物性たんぱく質でも、リン含有の少ないものを選ぶ。
  2.  魚は小骨のない切り身を利用する。
  3.  骨がない軟体動物でもリン含有の高いものがあるので気をつける(貝柱、えび、かに、いかなど)。
  4.  野菜はリン含有の低いものを選ぶ。
  5. 低たんぱく・低リン食品を利用する。